まどろむまどログ   - 「快」を求める日々の記録 -

日々の暮らしを心地よいものにしてくれるモノ・コト・ヒトの記録です

「熱血」コールが聴きたくて

小学生の頃からの憧れの人、広川太一郎さん。
彼の訃報に接してから早くも2週間以上の月日が経とうとしている。

訃報を知った翌日、職場で話題にするも私のデスク周りの若い衆は何のことやらさっぱりわからない風情。時の流れの なんと残酷なこと。
憧れの君不在の寂しさに重ねて、心の中にある大切な時間が遠い過去の彼方に感じられ、とても寂しい思いをしていた。
大切にしていた宝物がブラックホールに落ちたみたいな空虚感。堪らなかった・・・。

そんな矢先、高校時代の友人からの電話。
『男たちの夜かな』は電波の入りにくい局からの送信だったから、当時かなり工夫をこらしてラジオを聴いていたことなどを思い出し、二人であれこれ話すうち、少しずつ心が丸くなる。
青春時代の思い出を共有できるともだちって、本当にいいなぁ。

今では考えられないことだけれど、『男たちの夜かな』の最終回で太一郎さんは、自宅の住所と電話番号をリスナーのみんなに伝えたのだった。
何かあればいつでも連絡してこいよ、と。

「自殺したい」という投稿のあった回では、番組の内容を大幅に変更して、その子へのメッセージに丸々放送時間を費やしたこともあったっけ。
結局、その投稿はいたずら半分で投稿したものであったことが本人からの謝罪投稿で判明。
事実が判明した後の太一郎さんのコメントもまた忘れられない。
「死にたいという内容が嘘かもしれない、という可能性は確かに考えた。
けれど、自殺したいという投稿をする時点で、それは見過ごしていい状況ではないと判断して取り上げた。自分の判断・わがままにつきあってくれたスタッフのみんなには感謝している」
大雑把に言うと、だいたいこんな感じのコメントだった。
当時の状況を、記憶を辿りながら残してくださっている方のブログがあるので詳細はこちらをどうぞ↓
○Adan Kadan Blog「夜の思い出」
http://aso2.exblog.jp/4696390/

「夜かな」は出演者一同でギター片手によく歌っていた。
けれど、音盤をかけることはなかった。
いわゆる「グタグタになる」感じも結構あった不思議なひとときがとても心地良かった。

秘め事のことを「オギ」(たぶん荻野式からきていると思うけど・・・)と呼んだり、絶倫体操なんてものも編み出した。

♪きつねさん、お風邪を召しました コン、コン、コン〜♪という歌は、息子が小さい頃によく歌って聞かせたりもした私の愛唱歌。

『ダンディ2』のダンナも大好きだったし、少し太めの「600万ドルの男」の主人公も、太一郎さんの2枚目な声があてられると、とてもハンサムに感じられた。
ロバート・レッドフォードの声は、レッドフォード本人の声ではなく太一郎さんのあの声でダンゼン聴きたいし、DVDではレンタルできないけれど、テレビで放送されたときの『ヤングフランケンシュタイン』の吹き替え版でのイゴール役・熊倉さんとの絶妙なかけあいも絶品だった。

短いチョッキ、裾の広がった細身のジーパン、シャツの襟元を大きくはだけ少し胸毛が覗くあの独特なスタイル。
こども心に「こだわりを持ったオトナの男の人」を感じたものだった。

『レコパル 音の仲間たち』もよく聴いていた。
NHKラジオで夜遅くに放送されていたディック・フランシスの短編小説のラジオドラマ版で演じた『度胸』のジョッキー役も印象深いものがあった。

太一郎節の3枚目な部分がクローズアップされることの多い太一郎さんだけれど、あのアドリブのような言い回しは、せりふ回しの時間をきっちり計算した上で、台本に真っ黒になるまで書き込んで出来上がったものだったという。

確かに変わり者だったとは思うけれど・・・。
今、もしあの独特な深みのある声で「熱血ぇーつ!」と叫べば、時代遅れと呼ばれるのだろうけれど、流行り廃りとは関係のない、自分が大切と思う世界を貫き続けた広川さんの声が、今、無性に聴きたくて仕方がない。
誰かから差し出された手は、なんとかして握り締めてあげようとした人だったんだとあらためて思う。

◆ミッドナイトビデオジョッキ ー 第1回放送
 http://www.youtube.com/watch?v=1z8IH2eqO-8

◆『徹子の部屋』 出演時の模様
 http://www.youtube.com/watch?v=ckpkkBx4oBM

◆ヤングフランケンシュタイン(吹き替え・TV放送時)
 http://www.youtube.com/watch?v=hAN6SIcXkEk

◆男たちの夜・・・かな?! は永遠に不滅です
 http://jorf1422.hp.infoseek.co.jp/main.htm

広川太一郎さんにあいたい!!
 http://www.geocities.co.jp/Hollywood-Kouen/2899/

広川太一郎データベース
 http://web-conte.com/red/database/hirokawa/hirokawa.html